Twitterで、「「少年」がもう少しでprime終了するので急いで観なければ!」という、見ず知らずの人のつぶやきを見て気になり、アマゾンプライムで観てみた。
大島渚監督の映画は『戦場のメリークリスマス』と『御法度』しか観たことがなかった。昔に観たのであまり内容は覚えていないのだが、「よくわからない映画だったな」という感想だったと思う。今もう一度観たら違うだろうか・・?
主人公の少年は、戦争から帰ってきて働かない父親と前妻との間にできた子供。父親に引き取られ後妻とその間にできた弟と暮らしている。実質家族だが、そこに愛情は無い。当たり屋として生計を立て、日本各地を逃げるように回る。ロードムービーのようになっていて、北海道の最北端まで行く。
主人公の少年や後妻に車に当たらせ、運転手から示談金をせしめる父親。父親が最低で本当にムカつく。父親が最低なことにより、最初はうまくいってなかった後妻と少年が次第に結束感が出るのが面白いなと思った。父親がマジでウザい。
夜、少年が旅館から抜け出し、ひとりで電車に乗って高知に帰ろうとするがお金が足りない。手持ちのお金で切符が買うことのできた「天橋立」まで行き、海辺の崖で横になる。ひとりでは生きていけないまだ子供の少年。その現実を理解し、泣く少年。仕方なく父親たちのもとに帰るのが辛い。
少年は弟を可愛がっていて、弟も可愛くて唯一そこだけがほっこりする場面だ。最後らへんの雪の中にいる兄弟二人のシーンは寒そうすぎて、早く二人を暖かいところに連れて行ってあげてー!風邪引いちゃうよー!!という感情が湧いてきて物語に集中できなかった。
残念なところは、父親が訛っているためか滑舌が悪いのか音響が悪いのかわからないが、何を言っているかわからない場面が多々ある。そういえば、『戦場のメリークリスマス』でもビートたけしの台詞が何言っているかわからないところがあったし(最後の一番重要であろう場面だったと思う)、『御法度』でも松田龍平の声が小さすぎて何言っているかわからなかった(これも最後の場面だった気がする)。大島渚は台詞がきちんと聞こえるか?は重要視しなかったのかな。私の聞き取りの問題か?
50年前の映画だが、撮り方が斬新で全く飽きなかった。場面によって、カラーだったのが、モノクロになったりセピアっぽい色になったりする。
観ていて、マーティン・スコセッシ監督とエドワード・ヤン監督の映画を思い出したのだが、調べたらスコセッシは大島渚を敬愛していたらしいし、エドワード・ヤンはこの映画「少年」のカット割りのコピーを参考にして、と映画の勉強会で参加者に配ったらしい。なるほどな〜。繋がっているんだな。
prime終了前に観ることが出来てよかった。
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