『世界で一番ゴッホを描いた男』を観た。

映画

Amazonプライム・ビデオでドキュメンタリー映画、『世界で一番ゴッホを描いた男』(2018)を観た。主人公は中国・深圳近郊の町でゴッホの複製画を20年描き続けているチャオさん。絵を習ったことはなく、独学だ。複製画制作をしている油絵の街、ダーフェンに出稼ぎでやってきて20年、複製画を描き続けている。複製画を卸しているオランダの取引先のオーナーから、飛行機だけ手配してくれれば、宿とご飯は世話するよ。というメッセージをもらったことで、本物のゴッホの絵画を見たいとう気持ちが強くなり、妻にお金がかかると反対されながらもアムステルダム行きを決める。

「本物のゴッホを見たら、何か気づきがあると思う」

取引先のオーナーの店を訪ねたら、そこは小さなお土産屋さんだった。チャオさんは自分達の複製画が画廊で売られていると思っていたらしい。お店の場所をGoogleのストリートビューとかで見たらわかると思うけど、自分達の描いた絵がどこで売られているか検索したりしなかったのかな?もしかして発送先の住所とお土産屋さんの住所は違くて、わからなかったのかな?と色々気になった。お土産屋さんでは、自分達の描いた絵が卸値の8倍もの値段で売られていた。ショックをうけるチャオさん。売られている金額を見て、オーナーに値上げ交渉してたけど、結果どうだったのだろうか。描いても描いても儲からないって言っていたし、値上げしてくれよ。

ゴッホ美術館で初めて本物のゴッホの絵を見たチャオさん。

「全然違う。」「帰った後、どう絵を描けばいいのか」

中国の通称、油絵村は何かのテレビで見たことがあった。有名画家の複製画を大量に生産する街。私はここで働く人たちがここまで真剣に絵に向き合っていると思っていなかった。

チャオさんはゴッホを崇拝していて、ゴッホの映画を仲間達と観たりしていた。オランダに着いてからは、美術館でゴッホの絵を食い入るように見ていたり、ゴッホの墓地に行って、やっと会えたと言っていたり、絵の題材になったカフェに行ってはしゃいだり、ゴッホが入院した病院の跡地に行ったり。まさに聖地巡礼。ゴッホオタクなんだな。

チャオさんは美術館の警備の人?に「僕はゴッホの複製画を20年描いているんです」と言ったら、「あなたのオリジナルの絵はないの?」と聞かれ言葉を無くした。と言っていた。自分は何者のなのか?

「芸術家、職人、画家、呼び名が違うだけ」と仲間に慰められる。

中国に戻ってきて、オリジナルの絵を描き始めるチャオさん。「今は認められなくても20年後、30年後、認められるかもしれない」

帰国後、チャオさんが変わらずゴッホを愛していて、絵を描くことを楽しんでいることに希望が持てた。

この映画を観て、芸術って何だろうと思った。たとえ同じ作品を作っても、有名な人に褒められたり、賞を受賞すれば芸術品。日の目を見なければガラクタ。複製画は芸術じゃないのか?

コメント

  1. たね より:

    すげー見るやん。
    そろそろ、おもちの日常blogが読みたいです。

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