この映画は高校生の時にビデオをレンタルして観たことがあった。当時、浅野忠信ブームで浅野忠信が出演した映画を色々とレンタルしていたのだ。
Amazonプライムで配信が始まってオススメで出てきて懐かしいと思い、観てみることにした。高校生の時に観た以来だから20年以上振りだ。
日本人のフリーのカメラマン、一ノ瀬泰造(浅野忠信)がベトナム、カンボジアなど内戦地帯に踏み込み、死を恐れずにシャッターを切る。最後、解放軍が包囲しているアンコールワットに向かう途中で兵士に銃を突きつけれられる。隙をみて逃げ出し、銃で発砲されながらアンコールワットを目指して走り、ついにアンコールワットを目にする。すぐ後ろに兵士が迫っている。アンコールワットに向かって叫びながら走り出す泰造。
実在の話を元にした映画だが、どこからがフィクションなのだろう。
一ノ瀬泰造が現地の人に「タイゾー!タイゾー!」と慕われていたが、何故現地の人に溶け込み、匿ってくれる心を許した友人がいたのだろう。泰造の人柄ってことだろうが、その背景の説明が全くなかった。なぜ泰造がカメラマンを目指したのかも語られない。いきなり戦場にいる泰造から始まるし、当時の時代背景など色々とついていけない。説明不足や荒削りな部分もあったが、最後には涙を流して観ていた。何だろう。心には響いた。
「1973年11月22日に一ノ瀬泰造は単身アンコールワットへ向かい消息不明となる。それから9年後の1982年にアンコールワット近くのプラダック村で遺体が発見された。26歳没」とあった。残されたフィルムは両親の手によって現像され、写真集出版、展示会など開かれたとのこと。
今は観光地で誰でも入ることが出来るアンコールワット。20年前くらいにタイに旅行に行ったとき、カンボジアのアンコールワット観光付きツアーも考えていたのだが、日程を伸ばすことができなかったので諦めたのだ。久しぶりにこの映画を観て、行きたい気持ちが再燃した。
今日も戦争が終わらないのは何故だろう。みんな平和がいいはずじゃないのか。平和を願うことしかできない虚しさ。人間は過ちを繰り返す。
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