Amazonプライムビデオで『スラムドッグ$ミリオネア 』(2009)を観た。
アカデミー賞で作品賞等8部門を受賞した作品で当時すごく話題になっていた。ダニーボイル監督の作品は『トレインスポッティング』(1996年)を昔観た。撮り方が洒落ていて新しく、『トレインスポッティング』は監督を有名にし、一大旋風を巻き起こしたけれど、個人的には好きな映画ではなかったので、この映画も今まであまり観る気がしなかったが、初めて観てみた。
インドのスラム街で暮らす兄弟が母親が殺され、孤児となり、ご飯を食べさせてくれる人に拾われるが、その連中は悪党で孤児を使ってお金を稼ぐ連中だった。連中に一緒に拾われた女の子と一緒にそこから抜け出そうとするのだが、女の子は逃げ遅れてしまい、兄弟だけでインドの観光地のタージマハルで観光客目当てにお金を稼いでしばらく暮らすのだが、弟はその女の子が忘れられずに拾われた場所に兄弟で戻り、女の子を探す。女の子を見つけ出して逃げるのだが、兄は生き抜くためにギャングの手下になってしまう。兄に裏切られ、女の子とも離れ離れになり、弟はコールセンターで見習いで働くようになる。コールセンターのパソコンで兄の名前で検索したら同姓同名が5人くらいヒットして、そこに電話をかけてみたら兄が出た。ギャング一員の兄の親玉みたいな人の家に行くとそこには探していた女の子がいた。親分の愛人になっていた女の子に一緒に逃げようと言うけれど、女の子は「逃げてどうやって暮らしていくの?私のことを忘れて。」と言われるが弟は、「毎日5時に駅で待ってる」と女の子に言う。駅にきた女の子を見つけるが、ギャング一員に女の子は捕まり、戻されてしまう。弟はテレビのクイズ番組に出れば女の子が見てくれるかもしれないと、『クイズ$ミリオネア』に出演する。クイズに正解し、賞金を獲得していく。最終問題は翌日なのだが、スラム街で育ち、教養もない人間がクイズに正解する訳がないと詐欺を疑われ、最終問題前に警察に連れて行かれる。警察の尋問で何故、弟はクイズに正解することが出来たのか明らかになっていく。
あらすじを長々と書いてしまったが、話の展開にすごく引き込まれたし、夢中になって観ていた。
気になった点は、いきなり弟が観光客相手に英語でタージマハルの説明をするんだけれど、その英語いつの間に学んだんだよ?っていうのと、再会した兄と女の子との会話で何故英語を使うのかな?インドだからヒンディー語?じゃないのかな?小さい時から英語を使うようになったから英語で会話するのが普通なのかな?というところだ。いや、ヒンディー語だったのかな?私の理解不足や聞き間違いだったら、ごめんなさい。
出演した少年少女は実際にスラム街に暮らす子。この映画が公開された時にはメディアに出てインタビュー等受けていた。そしてまたスラム街で暮らしていたが、その後は引っ越した。少年少女の出演料は、親が搾取しないために16歳になった時に支払われる。と調べたら出てきたが、本当だろうか?
この映画の中で弟が女の子と再会する度に『運命だから』と言う。一緒になる運命だからまた会える。
何のためでもなく、生きるために生きる。どんなに時代が変化したって、いつまで経っても貧富の差は埋まらないし、スラム街は無くならない。映画の中で、アメリカ人夫婦の観光客を弟が案内した後、戻ったら観光客が乗ってきた高級車のホイールやタイヤが盗まれ、運転手が「お前が仕組んだんだろ!」と弟に暴行するのだが、弟は「本当のインドが見たいって言っただろ!これがインドだよ!」と言う。アメリカ人夫婦は「わかったわ。これがアメリカよ。」と殴られた弟にお金を渡す。
その国に生まれた運命。受け入れるしかないのだろうか。
権力者はこの映画を観て何を思うのだろう。悲しいが、たぶん何も思わないんだろうな・・。
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