演じていないように演じる難しさ

アマゾンプライムビデオで、『ヴィンセントが教えてくれたこと』を観た。

ビル・マーレイ演じる自分勝手で酒ばっかり飲んでるオッサンと隣に引っ越してきた少年との話。

気になる箇所は所々あるが、最後まで飽きずに観られたし、面白かった。最後ハッピーエンドだからいい。でも子供がいい子すぎるし、考えが大人過ぎる。こんな子供いないだろー？と素直じゃない自分は思ってしまう。

やっぱり映画はハッピーエンドがいい。最後曖昧な感じで終わって、観た人の判断に任せるみたいなのとか、モヤモヤする終わり方の映画があるが、最後はわかりやすくしてもらいたい。

演技が上手いのか下手なのか、日本の映画やドラマを見ていれば日本語なので、セリフの言い回しでなんとなくわかるが、外国語だとわからない。でもこの映画のビル・マーレイは上手いのであろう、というのがわかる・・気がする。役柄のオッサンにしか見えない。最後、エンドロールが流れる中、庭のベンチに座ってボブディランの曲を歌いながらホースで水をまくビル・マーレイ。カメラが長回しされる中、オッサンとして、そこにいるビル・マーレイ。演じていないように見える。

監督に『歌いながらベンチに座って庭にホースで水を撒いてください。ここでエンドロール流れますんで、アドリブでお願いします。』とか言われるのだろうか。

自分は俳優でも何でもないが、自分がビル・マーレイだったらどう演じただろう？と想像した。自分が演じたら演じているように見えてしまうのだろうな。

私が今のところ日本で演技が一番上手いと思う俳優は、松岡茉優だ。『勝手にふるえてろ』という映画を見て、この人は真の俳優だ。と思った。

役が乗り移っているように見えた。（言い過ぎか？）松岡茉優は演じる役柄によって全然違うように見える。こんなに演技が上手いんじゃ本来の自分がどこかに行ってしまい、普段でも演技しちゃったりしないのかな？とか思った。

『桐島、部活やめるってよ』。だいぶ前に観たこの映画に松岡茉優が出ていると後から知って、え？どの役で？と思い、後から見直してからわかった。嫌な感じの高校生役なのだが、松岡茉優だとわからないくらい違う人に見えた。周りの同級生役の子と格違いすぎて浮いていたくらい演技が上手いと私は思う。

日本映画は残念ながら面白いものが少ない・・・。無理な漫画の実写化や薄っぺらいお涙頂戴ストーリーはもういいっス。

日本映画業界、頑張ってほしいけどお金ないし、無理なのかな・・。

今まで観てこなかった映画に出会えるのはAmazonプライムのいいところだ。観たいな〜と思って忘れていた映画が見放題になっていたり、オススメで出てきた知らなかった映画を試しに観てみたら思いのほか良かったりする。

でもやっぱり映画は映画館で観たいものだ。早くコロナが収束して気兼ねなく映画館に行きたい。ライブに行きたい。居酒屋に行きたい。