私の兄

未分類

私は3人兄弟の末っ子だ。6歳上の姉、4歳上の兄がいる。兄は41歳独身だ。兄は何かに縛られるのが嫌いみたいだ。昔、兄の部屋から『仕事は3年で辞めろ』というハウツー本が出てきたことがあったが、今でもそのハウツー本に習っているのか、3年以内で職を転々としている。急に『明日からタイに行ってくるわ』だの、『明日からシンガポールに行ってくる。』だの、急に飛び立つ。そして『明日帰るわ』といきなり日本に帰ってくる。何をしに海外に行ったのか、聞いてもはぐらかすし、色々聞くとすごく嫌そうにする。潜水士の資格を取って、海に潜ったりしていたようだが、よくわからない。最近は、もう面倒なので何も聞かないことにしている。

親戚の集まりとかで見せる顔と家では全然違う。自分から親戚に絡んでいってデカい声で喋ったりする。しかし酒が入らないと駄目で、酒をガンガン飲んでエンジンついてからじゃないと無理なようだ・・。家では一言も喋らないし、話しかけても、うー、あー、で会話のキャッチボールがままならない。家での兄が本来の姿なのだろう。海外から帰ってきて、ずっと働かずに家にいたが、最近バイトを始めたようだ。仕事を始めて、ストレスが多いのか、寝ている時の歯軋りがすごい。兄は海外に住みたいみたいだ。日本は合っていないのだろう。タイにいる兄に『元気なの?お母さんが心配してるよ。』とLINEしたら、『なんで?日本にいる時より元気だよ^_^!』と返ってきた。普段喋らないのに、LINEはちゃんと返すので、別人とやりとりしているように思えてくるのだ。よくわからない人だ。とにかく日本より海外が合っているらしい。

しかし日本人が海外で永住権を取得することは簡単ではない。特殊なスキル等が無い限り、その国でいい人と結ばれて結婚したりしないと難しいのだろう。兄がいつか海外で幸せに暮らせますようにと願うことしかできない。

兄はこの日本ではすごく生き辛そうだ。酒が入らないと人と喋れないし、国語能力が無いのか、主語がなかったりして何言っているかわからないし、質問をしても的を得た回答が返ってこない。兄が書いた卒業文集とかひどいものだった。仕事でよく言われる、ほうれんそう(報告・連絡・相談)とかも絶対出来なそうだ。時間通りに行動することが出来なくて、遅刻常習犯だ。約束の時間通りに来た試しがない。

昔から兄は毎日のように学校を遅刻していたし、海外行く日に寝坊したり、出発日を間違えて飛行機に乗れなかったり、帰国の時に日本円を持っていなくて空港で支払う空港使用税が払えなくて空港で立ち往生したり、闇の業者から中古車買おうとしてキャンセルしたらブチギレられて家までヤ○ザみたいな人が来ちゃって家の鍵を交換しなくちゃいけなくなったり、携帯電話代が20万円請求きちゃって払えないからお金を貸して欲しいと言ってきたり・・何だか他にも色々あった気がする。この間、日本に帰ってきた時も電車代が足りなくて改札から出れないと連絡があって迎えにいった。兄はトラブルメーカーだ。

行動力はあるが、トラブルメーカー、コミュ障で根暗、兄はそんな感じだ。

私の父は41歳で亡くなった。現在の兄と同い歳だ。私が小学2年生の時に父が亡くなったので、父との思い出は断片的にしかないのだが、母が兄と父はよく似ていると言っている。兄が海外に行く度に、生きて帰ってくるだろうか・・という思いがよぎる。死ぬことはなくても、いつか何か海外でトラブルに巻き込まれて刑務所に入れられ、そこで一生暮らすのではないか?海外で暮らすという夢が叶ったが、そこは刑務所だったっていうオチ。冗談じゃなくて本気で思う。恐ろしい。

兄よ、どうか死なないでくれ。そして捕まらないでくれ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました