国立映画アーカイブで森田芳光監督特集をやっていて、映画「キッチン」を観に行った。
森田芳光監督の映画はこれまで「家族ゲーム」と「(ハル)」の2作品しか観たことがなかった。

上映前に展示も見た。家族ゲームのテーブル横並びに自分も加わって写真撮りたかったが一人で行ったので無理だった。

森田芳光がポルノ映画も撮っていたのは知らなかった。
ちょうどいい時間に上映していたのが「キッチン」(1989年)。昔から気になっていた映画だったけれど、これまで観たことがなかった。
映画はほぼ満員。1989年の映画なので、当時のバブルっぽさを感じられる。冒頭から俳優のセリフ棒読み具合がすごかったが、それもまた味になっていた。昔の映画ってセリフ棒読み俳優が多い気がするんだけど、昔は芝居の上手さよりも雰囲気重視で役が決まるのだろうか。主要二人が棒読みなので、橋爪功の上手さがより一層際立つ。
観終わったみたら、とても好きな映画になった。
なんだか自分でもよくわからないが、私の琴線に触れて涙が流れた。
最後、主人公みかげはヨーロッパ?行きをやめて雄一と暮らすことを選ぶ。普通は自分の成長のために海外行きを決めるのが正解というか、当然の流れなのだと思うが、あえて雄一のそばにいることを選ぶところで終わるのがいいなと思った。
刺さらない人には何がいいの?と思うような映画だと思うが、私には刺さった。
たまに見返してこの映画の雰囲気に浸りたい。
国立映画アーカイブは昔の映画を520円で観られる。「家族ゲーム」も20年くらい前に一度観たきりだし、他の作品も観たくなったので、森田芳光監督特集中にまた観に行こうと思う。
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