アマゾンプライムビデオで何の映画を観ようかとスクロールしていて、全くこの映画のことは知らなかったが、タイトルが気になって観てみることにした。
アブハジア共和国でみかん栽培をしている地域に住む、みかん箱作りをしているエストニア人のお爺さんイヴォと、みかん農家のマルガス。ジョージアとアブハジア間に紛争が勃発し、多くの人はエストニアに帰国したが、二人はそこに残った。イヴォとマルガスは紛争で怪我をしている二人の兵士をイヴォの家で介抱する。二人の兵士は対立する敵同士だ。同じ家に敵の兵士がいることを知った二人はお互いに殺してやると言い合うが、イヴォが家の中では戦わせない、殺すなら俺を殺してからにしろというと、助けてくれた人を殺すわけにはいかない、と二人はイヴォの約束を守る。
個人的なホッコリポイントは兵士二人が、「おはよう」「ありがとう」をイヴォとマルガスにきちんと言うところが何だか良かった。
イヴォは人間を信頼している。当然のように兵士を助けるし、争いで亡くなった死体を埋葬する。
民族、宗教の違いで争い合うことの無意味さをこの映画は伝えている。
「殺すという権利を与えたのは誰だ?」
「何の違いがあるんだ?教えてくれ」イヴォは言う。
そう、私たちは何も違わないはずだ。なぜ人は争い続けるのだろう。
この映画の製作国は、ロシア、グルジア、エストニアとのことだが。現在、戦争しているロシアがこの映画の製作に携わったの?どういうこと?本当に??
登場人物は爺さんだし、画が地味だし、だけど全く無駄なところが無い。脚本がすごくいいね。思わず傑作映画に出会うところがネット配信のいいところだな。本当に観て良かったと思う映画だった。
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