子供の頃、異常に欲しかったもの

子供の頃、すごく欲しくてたまらなかったが、手に入らなかった物がある。

今考えると、なんで欲しかったのだろうと思う。

その１：ポリバケツ

外食の店の厨房や、勝手口の外に置いてあるような、ゴミを入れる水色の大きなポリバケツが欲しかった。今のようなアマゾンで簡単に何でも手に入る時代ではなく、金物屋さんやホームセンターで探したけれど、私の納得のいく、業務用の大きなポリバケツはなかった。誕生日に何が欲しい？と言われ、水色のポリバケツと言っていた。でも手に入らなかった。何故そんなに欲しかったのか理由はよくわからない。ポリバケツをキャラクターにした四コマ漫画も自作していたくらいポリバケツに夢中だった。今だったらアマゾンで簡単に手に入るが、残念ながら今は全く欲しくない。

その２：探検隊の服

よく、ジャングルとかを探検する人が着ている、ベージュのシャツとベージュの半ズボン、白いハイソックス、白いヘルメットのような帽子、肩から斜めがけした水筒・・探検隊の衣装が欲しかった。何故欲しくなったかと言うと、「コンゴ」という映画を見たからだ。その映画はB級映画なのだが、ジャングルに住むゴリラと人間が手話で心を通わす話だ。その映画を見て、探検家ってかっこいい！と思い、行く予定のないコンゴの国の事を調べた。コンゴに行くには何種類もワクチンを打たなければいけないこと、紛争が続いていて簡単には行けない国だとわかった。コンゴに行くのは無理だと思い、せめて探検家気分を味わいたいと、着ている服が欲しくなった。上野のアメ横にアーミーショップがあるのだが、そこに売っているかもしれないと行ったのだが、なかった。それっぽい水筒はあったのだが、求めていた物はなかった。私が欲しいのはアーミーグッズではない。探検家グッズだ。アマゾンで「探検家　衣装」で調べたら、まさにこれです、というものが売っていた。今では簡単に手に入るが、当時はどこにも売っていなかった。今でもちょっと手にいれたい気持ちはある。

その３：ひょうたん

ひょうたん。ウリ科の植物だ。ひょうたんを乾燥させた入れ物に水筒代わりにして体にぶら下げているの人を何かで見てから、ひょうたんの入れ物が欲しくてたまらなくなった。母親にひょうたんが欲しいとねだったが、ひょうたんが売っている店はなかった。母がどこからか、茨城？かどっかで、ひょうたんが有名なところがあることを聞いたらしく、休みの日に連れていってくれた。ひょうたん探しの旅だ。タクシーの運転手さんに、お土産屋さんを回ってもらい、お目当てのひょうたんを買うためにハシゴした。しかし、私が求めていた理想のひょうたんは見つからなかった。自分の中で理想のひょうたんの大きさ、色があって、なかなかそれ通りのひょうたんは無かった。落ち込みながら家に帰ったのを覚えている。数日後、家に荷物が届いた。タクシーの運転手さんからだった。手紙と共に、ひょうたんのキーホルダーが入っていた。私が落ち込んでいたから、タクシーの運転手さんがひょうたん送りますよ。と母親から住所を聞いたのだと思う。でも私が欲かったのは、ひょうたんのキーホルダーではない。ひょうたんの水筒になる入れ物だ。申し訳ないが、正直全く嬉しくなかった。

他にも、どうしてもコタツにミカンがやりたくて、自分の中にある理想のミカンを入れる竹でできたザルが欲しくて探し回ったこともある。七輪、ちゃんちゃんこ、下駄、作務衣も欲しかった。なんだか昔っぽい日本に憧れがあったのかもしれない。

今ではネットで簡単に手に入る。あの頃の自分に買ってあげたい。