某コーヒーチェーンでアルバイトをしている時の話だ。そこの店舗では、歩いていける距離だったら、コーヒーやサンドウィッチの出前もしていた。ある日、『おもち（私）、ちょっと出前行ってきて。2件隣のビルの３階だから。』と言われて、持っていく役目になったことがある。雑居ビルの３階に行くと、有限会社○○と書かれていた。インターホンがあったので、『ドトールです。出前をお持ちしました。』と言うと、ガチャっと鍵が開いた。そっと扉を開けると、２畳くらいの小さな部屋のようになっていた。普通の会社だと受付みたいな台があって、その先に働いている人が見えたりするのだと思うが、入ったら壁真っ白な小部屋だった。あれ？ここで待って良いのか？戸惑いながら待っていると、壁にあるもう一つのドアがガチャっと開錠し、男の人がきた。
やばい。オーラが違う。と思った。そこは、ヤ○ザの事務所だった。
『２,850円になります。』と言ったら、一万円札を渡された。焦って『8,150円のお返しです！』と言い、逃げるように帰った。お釣りを渡した瞬間、計算間違えた！と気づいたが、1,000円返してくださいとは、とても言えなかった。
やばい。1,000円間違えたけど、どうしよう・・と思ったが、普段からレジの管理は適当で少しくらい合わなくても店長は気にしていなかった。1,000円足りないが、もらったお釣りをレジに戻して事なきを得た。
あとで店長に、あそこヤ○ザの事務所ですよね？と聞いたら、そうだよ。と当然のように答えた。行く前に教えておいてくれよ。
本物のヤ○ザはオーラが違う。ドラマとかに出てくるチンピラとは全然違う。サングラスして金のネックレスしてセカンドバックを持って・・というイメージだが、本物はそんなんじゃない。格好は普通の人と変わらない。しかし、オーラが出てしまっている。
まだまだ知らない世界がたくさんあるなぁと思った20代前半の私。
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