思い出の下北沢

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10代〜20代前半まで、私にとって下北沢は憧れの地だった。下北沢にいる人は個性があって、流行に流されない、お金がなくたって自分の好きなことをして生きていく、サブカルチャーがイケてる、みたいなイメージだった。

初めて就職した会社の先輩がパンクバンド好きで、誘われて一緒に下北沢のライブハウスに行ったことがあった。一つのバンドが主催して、知り合いのバンドを集めて5組くらい出てくるライブだった。

ライブハウスに来ている人達はフロアでタバコを吸いながら瓶ビールを飲んでたりしていた。何だか不健康な感じがイケてる、みたいな。ハタチなりたてくらいの痩せた女の子がダボダボのバンドTシャツを着て耳は拡張ボディピアス。タバコをふかし、スミノフを飲んでいた。その女の子はバンドの物販のお手伝いをしたりしていた。バンドマンの彼女なのか友達なのか知らんが、バンドメンバーと仲良さげに喋っていた。何だかすごく脳裏に残っている。

その後も先輩に誘われ、毎週のようにパンクバンドのライブに行ったりしていたが、私にはさっぱり良さが分からなかった。パンクが肌に合わないのかもしれない。

会社の先輩は好きなパンクバンドが出るライブに足繁く通っていた。ゲリラで井の頭公園でライブすると聞けば会社を早退して行ったりして。

ある日、先輩が恥ずかしげに『どうしよ〜。昨日○○の家に行ってそういう雰囲気になってヤったんだよね。そしたら朝方彼女が帰ってきてさー。どうしよ〜。泣きそう〜。』と言ってきた。

○○の家というのは、先輩の好きな売れないパンクバンドのベースの人だ。先輩は、どうしよ〜。と言いながら、好きなバンドメンバーとヤレたことが嬉しそうにも見えた。

やっぱり噂通りバンドマンって遊んでるんだな・・。私は思った。

そのベースは彼女と同棲する部屋に先輩を連れ込んだらしい。先輩は『でも彼は彼女とだいぶ前に別れてたけど彼女が出て行ってくれないんだって。』と言っていた。うん。それ嘘だと思うよ。思ったけど言わなかった。

そんな思い出の下北沢に一年くらい前に用事があって、久しぶりに行った。古着屋さんとか雑貨屋さんとか行こうかな〜と予定の時間よりだいぶ早めに下北沢についてブラブラしていたのだが、何だかすごく居心地が悪かった。どこを歩いていても自分はよそ者な気がして早くこの場所からいなくならなければ!という感覚に襲われた。なぜだろう。自分が歳を取ったからだろうか。下北沢を歩く若者と自分とのギャップに耐えられない気持ち?そんな自分にげんなりした。

10代の頃から心は成長していないのにね。

10代の時できなかったことを今、出来る様になりたいな。早く自転車乗れるようにならないとな。

乗れるようになったら嬉し泣きすると思う。たぶん。

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